3Dプリンターの電気代はいくら?月々のコストを徹底解説
- 合同会社HANDA
- 6月20日
- 読了時間: 12分

▶︎1. 3Dプリンターの電気代はいくら?基本を押さえよう

1.1 3Dプリンターの消費電力の目安
3Dプリンターを導入する際、気になるのが「どれくらい電気代がかかるのか」という点です。 そのためには、まず消費電力の目安を知っておくことが大切です。
一般的な家庭用3Dプリンターの消費電力は、おおよそ100〜250W程度。
これは、ノートパソコンや炊飯器と同じかそれ以下のレベルです。
以下は主な機種ごとの消費電力の傾向です。
小型FDM方式(家庭用)… 約120W前後
中型FDM方式(業務用)… 約200〜300W
光造形(SLA/DLP方式)… 約60〜100W
つまり、多くの3Dプリンターは1時間あたり10円以下の電気代で使えるということです。
ただし、機種によってはヒーターや冷却ファンなどが常に稼働するため、連続使用時には想定以上に電力を消費することもあります。
よくある失敗としては次のようなものがあります。
① 本体のスペックだけを見て電気代を軽視してしまう
② ヒーターの加熱に必要な電力を見落とす
③ スリープモードが無い機種を長時間放置してしまう
これらを避けるためには、購入前に各パーツの消費電力を確認したり、稼働時間の計測アプリを併用するのがおすすめです。
1.2 電気代の計算方法と具体例
次に、実際の電気代の計算方法を紹介します。
3Dプリンターの電気代は以下の式で簡単に求められます。
消費電力(kW) × 使用時間(h) × 電気料金(円/kWh)
たとえば、以下のような条件で使用した場合の電気代を見てみましょう。
消費電力:150W(=0.15kW)
使用時間:5時間
電気料金単価:27円/kWh(一般家庭の平均)
計算式:0.15 × 5 × 27 = 20.25円
5時間使用してもたった20円程度です。
1か月に20回使っても、400〜500円前後と、意外と負担は小さいことがわかります。
こんなケースもあります。
長時間プリントする造形物が多く、夜間も連続稼働
ヒートベッド付きで加熱に時間がかかる
使用中に冷却ファンを最大で回すことが多い
これらの場合は、電気代も1回あたり30円を超えることがあります。
そのため、造形のサイズや使用時間によって電気代は大きく変動します。
毎月の電気代を把握するには、プリントごとの使用時間を記録する習慣がとても大事です。
▶︎2. 3Dプリンターの利用頻度別に見る電気代の実態

2.1 趣味で週1回使用する場合の電気代
3Dプリンターを趣味で使う方の中には、週末に1回、数時間だけ稼働させるというケースがよくあります。
このような使用頻度だと、電気代はかなり抑えられます。
たとえば、消費電力が150Wの機種を週に1回・3時間使用した場合、月にかかる電気代は以下の通りです。
0.15(kW) × 3(h) × 4回 × 27(円/kWh)= 48.6円
1か月使っても約50円前後という安さです。
この程度であれば、電気代を意識せずに安心して使えますよね。
ただし、注意点もあります。
① 久々の稼働でトラブルが発生し、稼働時間が長くなる
② 出力に失敗して再プリントすることになり、消費電力が2倍になる
③ 通電時間が短いことでヒートベッドが安定しづらく、加熱時間が延びる
これらを防ぐには、使う前に設定をしっかり見直すことが大事です。
「短時間しか使わないから」と油断せず、こまめなメンテナンスも忘れずに。
2.2 毎日使用するヘビーユーザーの電気代
仕事や副業で3Dプリンターを毎日使っている方もいます。
この場合、電気代は無視できないランニングコストになります。
たとえば1日5時間使用し、月に25日稼働する場合の電気代は以下の通りです。
0.15 × 5 × 25 × 27 = 506.25円
さらに、大型機や2台体制で稼働していると、月に1000円以上になるケースもあります。
よくある注意点はこちらです。
① ヒートベッドが高温を維持するため、常時電力を消費している
② 連続稼働でファンやモーターがフル稼働し、消費電力が上がる
③ 設定ミスやフィラメント詰まりによる再出力で、使用時間が倍増する
特に、大型造形物を連日出力する場合は、電気代の積み重ねに注意が必要です。
一方で、業務利用で売上が見込めるなら、電気代は必要経費として割り切るのも一つの考え方です。
2.3 複数台同時稼働時の電気代と注意点
3Dプリンターを複数台持っていると、同時に稼働させる場面も出てきます。
この場合、当然ながら電気代も倍以上になることを想定しておくべきです。
たとえば、150Wのプリンターを3台、1日4時間動かすと…
0.15 × 3台 × 4時間 × 30日 × 27円 = 1,458円/月
3台のプリンターをフル活用すると、月1500円を超える電気代になります。
複数台運用では次のような注意点があります。
① 同じタイミングで加熱が始まり、ブレーカーが落ちる可能性がある
② 稼働時間がズレていると冷暖房の稼働時間も延びて間接的に電気代が上がる
③ スタンバイ状態のまま電源を切り忘れ、無駄な通電が増える
このような失敗を防ぐには、「プリンターごとに稼働スケジュールを分ける」のがポイント。 また、電源タップやブレーカーの容量にも余裕を持たせておきましょう。
複数台での運用は効率的ですが、電気代の把握と管理がとても重要です。
▶︎3. 3Dプリンターの電気代を節約する方法

3.1 プリント設定の見直しで消費電力を抑える
3Dプリンターの電気代は、プリント中の設定によって大きく変わります。
ちょっとした工夫で、1回あたりの電気使用量を20~30%削減することも可能です。
見直すべき設定の例はこちらです。
印刷速度:高速に設定しすぎるとヒーターが頻繁にON/OFFを繰り返し、逆に電力消費が増えることもあります
ノズル温度:必要以上に高温設定にしていると、加熱効率が悪くなる
ヒートベッド温度:造形素材に応じて適正温度に調整するだけで、電力の無駄を抑えられます
無駄な加熱時間をカットするだけでも、1回あたり5〜10円の電気代が変わってくることも。
こんな失敗もよく見かけます。
① 高品質を求めて設定をすべて「最大」にしてしまう
② フィラメントに合わない温度設定をしてしまい、再出力が必要になる
③ デフォルト設定のまま使い続けて無駄なエネルギーを浪費する
これらを防ぐには、プリントする素材や形状に合わせた「ちょうど良い設定」を意識することが大切です。
3.2 使用環境の工夫で電気代を削減
3Dプリンターは設置場所や周囲の環境によっても、消費電力が大きく左右されます。
特に冬場の使用では、室温が低いと加熱に時間がかかり電気代がかさむ傾向があります。
電気代節約のために工夫できる環境要因はこちらです。
室温を一定に保つ:プリンターの周囲を20〜25度にキープすることで加熱効率が向上
風の当たらない場所に設置:ファンの負荷が減り、安定した稼働につながる
断熱ケースを使う:特にヒートベッド付きの機種では、ケース内の温度を保つことで省エネになります
プリンターの設置環境を見直すだけで、月々の電気代が数百円安くなることもあります。
失敗しやすい例としては…
① 冬に窓際や玄関近くなど温度が安定しない場所に設置する
② 換気を意識しすぎて風通しが良すぎる環境にしてしまう
③ 暖房の効いた部屋で長時間プリントして、冷暖房の電気代が増える
このような無駄を避けるには、「外気の影響を受けにくく、温度が安定した場所を選ぶこと」がポイントです。
3.3 電力会社のプランを活用した節約術
意外と見落とされがちですが、契約している電力会社のプラン次第でも、3Dプリンターの電気代は安くできます。
とくに、夜間に作業する方は、時間帯別の電力料金プランを選ぶだけでコストを大幅に抑えることが可能です。
代表的な工夫としては次のとおりです。
夜間割引プランに切り替える:22時以降に稼働すれば、昼間の約70%の電気料金で利用できる
週末割引があるプランを選ぶ:趣味用途で週末に使う人におすすめ
従量制から定額プランに切り替える:月間使用量が多いヘビーユーザーに向いている
プランを変更するだけで、年間で数千円〜1万円近く節約できることもあります。
よくある見落としは以下のとおりです。
① 昼間の高い料金帯にプリントを集中させてしまう
② 使用頻度が高いのに、従量制のままで損をしている
③ 電力自由化後も旧プランを使い続けている
これらを防ぐには、「月間の使用時間とパターンを見直して、最適な電力プランに変更すること」が重要です。
▶︎4. 3Dプリンターと他の家電製品との電気代比較
4.1 一般的な家電製品との比較
3Dプリンターの電気代がどれくらいかかるのかを正確に理解するには、他の一般的な家電製品と比較するのがわかりやすいです。
以下は、1時間あたりの電気代を目安としてまとめたものです(消費電力と電気料金27円/kWhで算出)。
家電製品 | 消費電力(W) | 1時間あたりの電気代(円) |
3Dプリンター(小型) | 約150W | 約4.1円 |
電子レンジ | 約1300W | 約35.1円 |
ドライヤー | 約1200W | 約32.4円 |
洗濯機(乾燥機能含む) | 約1000W | 約27円 |
パソコン(デスクトップ) | 約200W | 約5.4円 |
こうして比べると、3Dプリンターの電気代はかなり安い部類に入ります。
また、冷蔵庫やテレビのように常時稼働しているわけでもなく、使う時間も限られているため、月単位で見れば電気代のインパクトは非常に小さいです。
しかし、注意点もあります。
① 長時間稼働が続くと、電気代は累積して大きくなる
② 高温で加熱するプリンターは、実質的な消費電力が見た目以上にかかることもある
③ スタンバイ状態のまま放置して電気を消費し続けるケースもある
このため、「1回の消費が少ないから安心」と思い込まず、使い方に合わせて実際の電気使用量を管理する意識が必要です。
4.2 3Dプリンターの電気代が安い理由
3Dプリンターの電気代が安いといわれるのには、いくつかの明確な理由があります。
主な理由は以下の通りです。
連続稼働時でも省電力設計:一般的なFDM方式プリンターは、加熱部以外の電力消費が非常に少ない
部分的な加熱のみで動作可能:ノズルやヒートベッドのみ加熱するため、全体を暖める必要がない
稼働中も一定の電力消費に抑えられている:パーツの動きが比較的小さく、モーターに大きな負荷がかかりにくい
構造的に無駄なエネルギー消費が少ないことが、電気代が安く済む一番の要因です。
また、最新のプリンターでは以下のような省エネ機能が搭載されていることもあります。
自動スリープ機能
エコモード運転
省電力ドライバーモーターの採用
よくある誤解として、
① 「長時間使うから電気代が高い」と思い込む
② 高性能機種はすべて電力を多く使うと決めつける
③ 業務用機は家庭用よりも数倍の電気代がかかると勘違いする
こうした誤解を避けるには、「消費電力の実数値と実際の使用時間を確認すること」が重要です。
3Dプリンターは、見た目や稼働時間に反して、かなり経済的に使える機器なんです。
▶︎5. 3Dプリンターの電気代以外の維持費もチェック
5.1 フィラメントやレジンのコスト
3Dプリンターのランニングコストで忘れてはいけないのが、材料費です。
FDM方式で使うフィラメントや、光造形で使うレジンなど、素材によってコストは大きく変わります。
以下は代表的な材料とコストの目安です。
材料タイプ | 種類 | 価格帯(1kgあたり) | 特徴 |
フィラメント | PLA | 約2,000〜3,000円 | 初心者向けで扱いやすい |
フィラメント | ABS | 約2,500〜4,000円 | 耐熱性・耐久性が高い |
レジン | 標準タイプ | 約3,000〜6,000円 | 高精細な出力が可能 |
出力するサイズや密度にもよりますが、1回のプリントで使う材料はだいたい50〜150g程度。 つまり、1回あたりの材料費は100〜400円程度になることが多いです。
電気代よりも材料費の方がはるかに大きな負担になるケースもあります。
よくある失敗例としては…
① 安価なフィラメントを使ってプリント失敗が増える
② 材料の劣化を防げず無駄になる
③ 大量にまとめ買いして保管が難しくなる
これらを避けるには、「必要な量だけ購入し、使い切れる量を管理すること」が重要です。
また、保管時は湿気対策をしっかり行い、材料の劣化を防ぐ工夫も必要です。
5.2 メンテナンスや消耗品の費用
3Dプリンターは定期的なメンテナンスが欠かせません。
部品の摩耗や汚れを放置すると、プリント品質が落ちたり故障の原因になります。
以下は主な消耗品とそのコスト目安です。
消耗品 | 交換頻度 | 価格帯(1回あたり) |
ノズル | 数十〜数百時間使用 | 約500〜1,500円 |
ビルドシート | 数ヶ月ごと | 約1,000〜3,000円 |
エクストルーダーパーツ | 数百時間使用 | 約1,500〜3,000円 |
レジンタンク(SLA) | 数十回使用 | 約2,000〜5,000円 |
これらのメンテナンスコストも、月平均で1,000円〜2,000円程度発生することがあります。
さらに、次のような注意点もあります。
① ノズルの詰まりを放置して再出力が必要になる
② ビルドシートの劣化に気づかず出力失敗が続く
③ 定期的な清掃を怠って部品が故障する
こうしたトラブルを防ぐには、「月1回のメンテナンスを習慣にすること」が大切です。
また、取扱説明書にある推奨交換サイクルを守ることも、長く使い続けるコツです。
3Dプリンターは電気代が安い反面、維持費は油断すると積み重なってしまいます。
▶︎6. まとめ:3Dプリンターの電気代は意外と安い
6.1 電気代を気にせず3Dプリンターを楽しもう
ここまで紹介してきたように、3Dプリンターの電気代は他の家電製品と比べても圧倒的に安価です。
消費電力が比較的少なく、必要な時間だけ稼働するスタイルのため、趣味でも業務でも月に数百円〜1000円程度に収まることが多いです。
さらに、使用頻度に応じてプリント設定や電力プランを見直すことで、電気代の節約も十分に可能です。
とはいえ、電気代以上に重要なのは「トータルコストと価値のバランス」。
材料費やメンテナンス費も含めて、無駄なく効率的に使うことがポイントです。
ちょっとした工夫で、3Dプリントはもっと手軽で楽しいものになります。
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